立ち上がるアフリカ
小生のアフリカのイメージは、子どもの頃は「野生の王国」だったが、
現在では内戦、飢餓、HIV/エイズ、マラリア、貧困、水不足、インフラ
不足、過酷な自然といった「負のイメージ」がとても多い。実際はどう
なのだろう。
アフリカ大陸は地理的・人種的にサハラ砂漠を挟んで南北に分かれる。
北側すなわち地中海沿岸部のエジプト、リビア、アルジェリア、チュニ
ジア、モロッコはアラブ系のコーカソイドが多く「ホワイト・アフリカ」
と呼ばれる。
南側は黒人が多いことから「ブラック・アフリカ」と呼ばれていたが、
“暗黒大陸”といった負のイメージがあるため、近年では「サブサハラ
・アフリカ」(サハラ以南のアフリカ)、略して「サブサハラ」と言う
ことが多くなっているようだ。
「アフリカ諸国」とは一般的にこのサブサハラを指し、「48カ国(全国
連加盟国の25%)、人口7億8750万人(全世界の12%)、面積2424万km2
(同18%)、GDP(総額)8474億ドル(同1.6%)、1人あたりGDP
1059ドル」(日本外務省)の規模である。
日本国大使館のある国は23カ国、先方大使館が日本にある国は30カ国を
数える。
日本とサブサハラの貿易額(2009年)は、日本からの輸出6322億円、日
本の輸入7687億円で合わせて1兆4009億円。相手国は南アフリカ、スーダ
ン、リベリア、ナイジェリア、ケニア、赤道ギニアなど。
昨年10月のアフリカ貿易・投資促進フォーラム(外務省主催)で加藤敏
幸外務大臣政務官はこう挨拶した。
「アフリカはめざましい経済成長を遂げ、『希望と機会の大陸』として
国際社会の注目を集めています。欧米各国や中国、インド等の新興国は
新しい市場としてのアフリカに着目し、経済関係を強化しつつあります。
実際、2006年以降、サブサハラ・アフリカ諸国に対する海外直接投資の
総額は援助額を上回っています。
我が国においては、東日本大震災により経済活動にも大きな影響が出ま
したが、日本企業のアフリカに対する関心は引き続き高く、今やアフリ
カと我が国は、貿易・投資を通じて双方に機会と利益をもたらす『経済
的パートナー』へと変貌しつつあると言えるでしょう」
2008年10月時点の「海外在留邦人数調査統計」によると、日本企業が20
社以上の国は南ア(184社)、ケニア(29社)、アルジェリア(28社)、タンザ
ニア(21社)、モロッコ(20社)。
民間企業関係者が100人以上の国はアルジェリア(777人)、南ア(254人)、
マダガスカル(137人)。
政府関係職員100人以上の国はケニア(165人)、ガーナ(164人)、ザンビア
(131人)、ウガンダ(117人)、セネガル(115人)、マラウイ(114人)だった。
アフリカは世界のフロンティアと言え、レアメタルや石油などの豊富な
地下資源と労働力、そして有望な市場が貿易と投資の拡大を招いている
のだろう。
「世界銀行年次報告2011」によると、アフリカ諸国は経済政策の改善も
あり、リーマンショックによる世界経済危機を過去の危機よりもうまく
切り抜けることができた。「その結果、アフリカは世界で最も急成長中
の途上地域の1つとなっている」という。
2010年のGDP成長率は推定4.7%と、2009年の成長率1.7%から力強い
回復を遂げている。回復がもっとも堅調だったのは、一次産品価格の上
昇による恩恵を受けた金属、鉱物、石油の輸出国だった。
2011年度にはGDP成長率が推定5.3%へとさらに上昇し、2012年には
5.5%に達する見込みである。
2010年の海外直接投資はインドを上回り、国際資本流入の対GDP比は
4.6%に上昇。ビジネス環境も改善されており、2010年、アフリカ地域か
らカーボヴェルデ、ルワンダ、ザンビアの3カ国が「世界でビジネス環境
が最も向上した国ベスト10」に選ばれた。
アフリカの長期的な成長がもたらす社会的・人口的変化は、新たな成長
の原動力を生み出すと見られている。特に重要な変化としては、「都市
化」「労働力の拡大」「中産階級の消費者の台頭」などが挙げられる。
アフリカの都市人口比率は1980年にはわずか28%だったが、現在では40
%が都市部に住んでいる。これは中国とほぼ同率で、インドを上回る。
2030年までに都市人口比率は50%まで上昇すると予想され、上位18都市
を合計した年間購買力は1.3兆ドルになる見込みだ。
国際協力機構(JICA)は「サブサハラアフリカにおける現地社会・
経済の発展と日本企業にとってのビジネスチャンス拡大を同時に追求」
と銘打った「アフリカ投資促進支援技術協力スキーム」を進めている。
<近年サブサハラアフリカ諸国は好調な経済成長を記録しており、市場
としてのポテンシャルが高く見込まれる地域です。欧米を中心とした先
進国のみならず新興国もアフリカでのビジネス展開を着実に展開してい
る現在、日本においても官民が連携してアフリカへの進出を図る工夫が
求められています。
こうしたなか、日本企業のサブサハラアフリカにおけるビジネス展開を
JICAの技術協力を通じて支援するとともに現地の人々の生活向上や
地域の開発を図るのが「アフリカ投資促進支援技術協力スキーム」です
>
“21世紀はアフリカの世紀”とも言われている。経済発展により医療な
どの社会保障や公衆衛生の向上、インフラ整備、教育の普及なども期待
でき、負のイメージも好転していくに違いない。アフリカがようやく立
ち上がってきた印象だ。 平井 修一
現在では内戦、飢餓、HIV/エイズ、マラリア、貧困、水不足、インフラ
不足、過酷な自然といった「負のイメージ」がとても多い。実際はどう
なのだろう。
アフリカ大陸は地理的・人種的にサハラ砂漠を挟んで南北に分かれる。
北側すなわち地中海沿岸部のエジプト、リビア、アルジェリア、チュニ
ジア、モロッコはアラブ系のコーカソイドが多く「ホワイト・アフリカ」
と呼ばれる。
南側は黒人が多いことから「ブラック・アフリカ」と呼ばれていたが、
“暗黒大陸”といった負のイメージがあるため、近年では「サブサハラ
・アフリカ」(サハラ以南のアフリカ)、略して「サブサハラ」と言う
ことが多くなっているようだ。
「アフリカ諸国」とは一般的にこのサブサハラを指し、「48カ国(全国
連加盟国の25%)、人口7億8750万人(全世界の12%)、面積2424万km2
(同18%)、GDP(総額)8474億ドル(同1.6%)、1人あたりGDP
1059ドル」(日本外務省)の規模である。
日本国大使館のある国は23カ国、先方大使館が日本にある国は30カ国を
数える。
日本とサブサハラの貿易額(2009年)は、日本からの輸出6322億円、日
本の輸入7687億円で合わせて1兆4009億円。相手国は南アフリカ、スーダ
ン、リベリア、ナイジェリア、ケニア、赤道ギニアなど。
昨年10月のアフリカ貿易・投資促進フォーラム(外務省主催)で加藤敏
幸外務大臣政務官はこう挨拶した。
「アフリカはめざましい経済成長を遂げ、『希望と機会の大陸』として
国際社会の注目を集めています。欧米各国や中国、インド等の新興国は
新しい市場としてのアフリカに着目し、経済関係を強化しつつあります。
実際、2006年以降、サブサハラ・アフリカ諸国に対する海外直接投資の
総額は援助額を上回っています。
我が国においては、東日本大震災により経済活動にも大きな影響が出ま
したが、日本企業のアフリカに対する関心は引き続き高く、今やアフリ
カと我が国は、貿易・投資を通じて双方に機会と利益をもたらす『経済
的パートナー』へと変貌しつつあると言えるでしょう」
2008年10月時点の「海外在留邦人数調査統計」によると、日本企業が20
社以上の国は南ア(184社)、ケニア(29社)、アルジェリア(28社)、タンザ
ニア(21社)、モロッコ(20社)。
民間企業関係者が100人以上の国はアルジェリア(777人)、南ア(254人)、
マダガスカル(137人)。
政府関係職員100人以上の国はケニア(165人)、ガーナ(164人)、ザンビア
(131人)、ウガンダ(117人)、セネガル(115人)、マラウイ(114人)だった。
アフリカは世界のフロンティアと言え、レアメタルや石油などの豊富な
地下資源と労働力、そして有望な市場が貿易と投資の拡大を招いている
のだろう。
「世界銀行年次報告2011」によると、アフリカ諸国は経済政策の改善も
あり、リーマンショックによる世界経済危機を過去の危機よりもうまく
切り抜けることができた。「その結果、アフリカは世界で最も急成長中
の途上地域の1つとなっている」という。
2010年のGDP成長率は推定4.7%と、2009年の成長率1.7%から力強い
回復を遂げている。回復がもっとも堅調だったのは、一次産品価格の上
昇による恩恵を受けた金属、鉱物、石油の輸出国だった。
2011年度にはGDP成長率が推定5.3%へとさらに上昇し、2012年には
5.5%に達する見込みである。
2010年の海外直接投資はインドを上回り、国際資本流入の対GDP比は
4.6%に上昇。ビジネス環境も改善されており、2010年、アフリカ地域か
らカーボヴェルデ、ルワンダ、ザンビアの3カ国が「世界でビジネス環境
が最も向上した国ベスト10」に選ばれた。
アフリカの長期的な成長がもたらす社会的・人口的変化は、新たな成長
の原動力を生み出すと見られている。特に重要な変化としては、「都市
化」「労働力の拡大」「中産階級の消費者の台頭」などが挙げられる。
アフリカの都市人口比率は1980年にはわずか28%だったが、現在では40
%が都市部に住んでいる。これは中国とほぼ同率で、インドを上回る。
2030年までに都市人口比率は50%まで上昇すると予想され、上位18都市
を合計した年間購買力は1.3兆ドルになる見込みだ。
国際協力機構(JICA)は「サブサハラアフリカにおける現地社会・
経済の発展と日本企業にとってのビジネスチャンス拡大を同時に追求」
と銘打った「アフリカ投資促進支援技術協力スキーム」を進めている。
<近年サブサハラアフリカ諸国は好調な経済成長を記録しており、市場
としてのポテンシャルが高く見込まれる地域です。欧米を中心とした先
進国のみならず新興国もアフリカでのビジネス展開を着実に展開してい
る現在、日本においても官民が連携してアフリカへの進出を図る工夫が
求められています。
こうしたなか、日本企業のサブサハラアフリカにおけるビジネス展開を
JICAの技術協力を通じて支援するとともに現地の人々の生活向上や
地域の開発を図るのが「アフリカ投資促進支援技術協力スキーム」です
>
“21世紀はアフリカの世紀”とも言われている。経済発展により医療な
どの社会保障や公衆衛生の向上、インフラ整備、教育の普及なども期待
でき、負のイメージも好転していくに違いない。アフリカがようやく立
ち上がってきた印象だ。 平井 修一
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