赤珊瑚密漁の裏側にある中国の狙い

 小笠原で珊瑚を密漁する中国漁船団の本当の目的は第二列島線突破だ
  遠洋漁業はレーダー搭載、かならず海軍の管轄下に入らなければならない

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 2010年、尖閣諸島海域で不法操業の中国漁船を警戒していた海上保安省の船に中国の暴力船長が体当たりしてきた。おりしも民主党政権、弱腰の日本は船長の取り調べもそこそこに釈放し、衝撃のヴィデオ公開をふせた。

一色正春氏の勇気ある行動でテレビに流れ、日本の世論は激高した。

この前後から『漁船』が同海域をうろつきまわり、その周囲を中国海監の艦船が取り巻く、領海侵犯は数限りない。いったい何が目的か?

尖閣諸島は中国領土だとぬけぬけと主張したが、2012年9月に野田政権は国有化を宣言した。

すると中国は『反日暴動』を組織化して全土で日本企業を焼き討ちした。日本の反中感情に火が付き、93%が『中国が嫌い』とする世論調査結果が出た。
日中関係の悪化はすべて中国側に責任がある。

しかし軍事的視点から言えば、尖閣諸島海域への出没目的は「漁場」ではない。ずばり、第一列島線突破の訓練である。『漁船』を装った「海上民兵」であり、日本側の警備、スピード、その規模を計測しているのである。

西太平洋に覇権を打ち立てるのが中国の大戦略である以上、尖閣も小笠原における行動も、そうした戦略に基づいた戦術行使である。

五島列島でも深刻な問題がすでに起きている。


▼五島列島に「台風避難」を名目に数百隻が寄港、現代の「元寇」を思わせた

 以下に拙著から引用する。

「平成二十四年(2012)7月18日だった。平戸から近い五島列島の南端・福江島の南のはずれに位置する玉之浦港に突如、『元寇』を思わせるほど夥しい中国船が、整然と隊列を組むかのように入港した。台風避難が目的であるとされた。合計106隻。

 日中漁業協定で確認された避難ポイントは、この玉乃浦港から100キロ先であり、台風を名目にわざわざ福江島の南端、警備の薄い日本の港を狙っての集団避難は異様な光景、なにか軍事的目的があると考えられた。玉之浦は緯度的には長崎と佐世保の中間、大村飛行場と緯度が同一線上にある。

 「入港後日本の海上保安庁の巡視船が監視にあたりましたが、百六隻の漁船に対して、海上保安線は150トンクラスが一隻と巡視艇というボートが一隻の計二隻だけ」(遠藤浩一編『日本文明の肖像2』所載、山田吉彦論文)

 おもわず背筋が寒くなる光景だった。

 玉之浦の人口は1800人、中国側は各船に20人から50人が乗っていたと推定すると、合計3000名となる。つまり台風避難を名目に玉之浦港は中国に占領された格好だった。漁船といっても遠洋航海の船は魚群探知機を装備している。こうした漁船はすべて中国海軍の管轄下にある。山田吉彦(東海大学教授)は、『この漁船は海上民兵』と推測し、第一列島線の内側を『中国は海洋領土とすることを目指してきた』から、こうした行為に及んだとする。すでにそのときまでに中国は西沙諸島ミスチーフを占領し、2010年8月には『270隻もの漁船団が日中中間海域に出没』し、しかも『そのうちの一隻が海上保安庁の巡視船に体当たりした』。
そして推定される中国の『海上民兵』を駆使した海洋軍事作戦とは、『百メートルおきに横に並ぶと10キロ、二列で間を埋めて50メートルおきに並んでも5キロのエリアで海底を詮索できまる。だから漁船団が動き出すと(日本と米軍の)潜水艦は動けなくなる』」(同前掲論文)』(拙著『吉田松陰が復活する』より抜粋)。
 

▼赤珊瑚盗掘の中国漁船は、じつは漁民ではなく海上民兵である。

 そして小笠原諸島周辺海域に中国漁船が大挙して出没し、珊瑚の密漁を行っている。
 2014年九月半ばから十月までの一ヶ月半だけでも出没した中国漁船は211隻におよび、中国人富裕層に人気の高い赤い珊瑚礁を盗んでいくのだ。

自然保護、環境保護を大事にする日本の隙をついてカネになるときけば、中国人は公私の見境なく、だぼはぜのごとくやってくる。

しかし、この密漁団には裏の目的がある。
珊瑚密漁は表向きのこと、実態はまさに第二列島線突破のための『海上民兵』の下訓練、レーダー搭載の漁船は、繰り返しになるが、すべて中国海軍の管轄下にある。
宮崎正弘の国際ニュース・
   

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