円安・株高の流れ、いつまで 「安倍相場」楽観論がやや優勢

2012年11月の衆院解散後、首相への就任が当時濃厚とみられていた安倍晋三氏が、自民党総裁として日銀に対して金融緩和強化を促した発言をきっかけに「円安・株高」が進み、東京株式市場では大納会の12月28日、日経平均株価が年初来高値を更新した。


「安倍相場」と呼ばれた円安・株高の流れが続く中で13年の金融市場は始まるが、その後の展開はどうなるのか。エコノミスト15人の間では楽観論と悲観論が交錯しているものの、景気回復への期待をはやす市場の活況ぶりを背景に、楽観論がやや優勢となっている。


 15人の回答では、13年の円ドル相場の高値の平均は79.5円で、底値の平均は89.8円。円ユーロ相場の最高値の平均は100.7円、底値の平均は116.9円と、いずれも12年の相場動向に比べて円安に振れるとみる予想が目立った。

 底値を1ドル=100円とした第一生命経済研究所の嶌峰氏は「一本調子の円安ドル高」を予測する。年明けに米経済の「財政の崖」が回避され、4~5月にかけて日銀がさらなる金融緩和に踏み切り、夏以降に米経済が本格回復に向かうことで円安への圧力が続くというのが、具体的なシナリオだ。

 一方、高値を1ドル=75円と予測したBNPパリバ証券の河野氏は「裁量的な財政・金融政策で一時的に成長率を高めることができても、持続的ではない。市場がそれを認識する過程で揺り戻しが生じる」と警鐘を鳴らし、安倍内閣に規制緩和など経済構造の抜本改革を求めている。

 一方、株式市場の見通しについても意見が分かれる。円安などを背景に輸出関連企業の業績が回復するとの期待が高まり、株高になるという観測をめぐり、大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミストは「(安倍氏が掲げる経済対策の)『アベノミクス』を好感し、上昇基調で推移する」と肯定的だ。13年の日経平均株価について、熊谷氏は1万2000円の最高値、8700円の底値を予測する。

 これに対し、最高値1万500円、底値8500円と回答したみずほコーポレート銀行の唐鎌氏は「新政権が推し進める(緩やかなインフレ環境で景気回復を図る)リフレ政策への期待感から、上期の株価は好調を維持するが、年半ば以降は国内外の実体経済に見合った動きへと収束する」と分析している。

 また、「4月にかけて日銀総裁人事への期待が高まって株価は上昇するが、その後、材料出尽くし感から調整に入り、年末にかけて円安トレンドを背景に再び上昇局面に入る」(野村証券金融経済研究所の木下氏)と、株価は揺れ動くとみる向きもある。

 安倍内閣は今夏の参院選までは、安定的な政権運営で乗り切りを図るとの見方が強い。12年度補正予算と13年度予算を組み合わせた「15カ月予算」が、かつての自民党政権のようにバラマキ策に終わり、景気浮揚が日銀の金融政策頼みとなれば、批判が高まることは避けられない。参院選後に安倍内閣が取り組む経済政策が市場動向を左右する条件の一つになりそうだ。

 緩やかな景気回復と大型補正予算の財源を手当てする国債の増発などを受け、国債需給の悪化懸念から長期金利の上昇(国債価格は下落)圧力が高まる可能性も小さくない。ただ、アンケートに回答したエコノミストによると、2013年の長期金利の最高値の平均は1.0%で、底値の平均は0.7%。12年よりもやや高めだが、安定的に推移するとの見方が支配的だ。

 みずほ証券によると、世界的な金融経済の構造は大きく変わっておらず、13年1~3月期の国内長期金利は低水準にあるが、徐々に金利上昇圧力がかかるとみられる。世界各国で12年に相次いだ政権交代を受け、金融市場は政策対応の変化を注視しており、低金利の流れが変わる可能性もあるからだ。

 例えば、日本では安倍晋三内閣が発足し、金融緩和の強化と財政出動による景気刺激策の内容に関心が集まっている。米国でも、再選したオバマ政権が「財政の崖」への対応に追われた。こうした懸案に対する政策への期待の高まりが、金利上昇圧力を一層強める可能性は否定できない。

 ただ、日本や各国の新政権による政策対応の実効性次第では政策そのものへの期待が薄れ、実体経済の動向に焦点が再び当たる公算は大きい。さらに、日本を含め、先進国の中央銀行が踏み出した非伝統的な金融緩和を終結させる「出口」は、当面は展望できないとの見方が強い。こうした結果、低金利の長期化は避けられそうにない。

 エコノミストの間では、13年度上期までは長期金利の上昇圧力が強まる可能性が高いが、下期には政策の実効性を見極める段階に入り、過度な金利上昇圧力が徐々に緩和されるとの観測が大勢を占めている。SankeiBiz

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