カット打法“禁止”された花巻東の千葉選手

■第95回全国高校野球選手権大会準決勝 花巻東0―3延岡学園 (甲子園)


特別規則17項が設けられるきっかけとなったのが72年夏の東洋大姫路の
9番・前原正弘選手だ。

前原は千葉と同じくレギュラー最小兵の1メートル66。ファウルで粘って
四球を選ぶカット打法は兵庫大会(12打数無安打10四球)からバントか否
か議論を呼び、迎えた習志野との1回戦。初回2死一、二塁から2度カッ
ト打法でファウルした。

1度目に習志野の捕手・阿部(巨人・阿部慎之助捕手の父)が「バント
だ」とアピール。2度目に郷司球審から「フォロースルーをするように」
と警告された。警告後の前原はカット打法はせず、2打数無安打で四球も
ゼロだった。

これを機に17項が設定され、92年センバツ決勝で東海大相模の吉田(元近
鉄)が帝京のエース三沢(元巨人)の投球をカットし、スリーバント失敗
に取られた。

▼阿部東司さん(58) あの時はバッターがグリップを握った時、右手と
左手が離れていてバントのように打ったから審判に言った。今回の千葉君
は両手を離して構えていたけど、振る時には両手がしっかりくっついて
打っていた。だから、この子はあの時と似てるけど、ちょっと違う。問題
ないと思って見ていた。

▼前原正弘さん(59) 彼の悔しさはよく分かる。あの打法は選球眼や
バットコントロールが大事で誰もができるものではない。私と同様、小さ
い体で何ができるか努力してレギュラーになった。高野連にはもう少し大
きな目で見てほしかったし、準決勝の前に警告するのもどうか。私が郷司
さんに注意されたのは甲子園初打席ですから。

◆プロ野球も含めた日本における野球の公式ルールを定めた公認野球規則
では、「カット打法」への規制はない。しかし、高校野球には特別規則が
あり、その17項目にあるバントの定義で「自分の好む投球を待つため
に、打者が意識的にファウルするような、いわゆる“カット打法”はそのと
きの打者の動作(バットをスイングしたか否か)により、審判員がバント
と判断する場合もある」と書かれている。(サンスポ)>               古澤 襄



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